ENEOSホールディングスは28日、チリに保有するカセロネス銅鉱山を運営する子会社SCM Minera Lumina Copper Chile(MLCC、サンティアゴ。売上高1630億円、営業利益517億円、純資産△1380億円)の株式51%を、カナダの鉱物資源・エネルギー会社Lundin Mining Corporation(トロント)に譲渡すると発表した。価格変動に業績が左右される資源事業のリスクを抑制し、先端金属素材など成長分野に経営資源を集中させる。譲渡価額は約1246億円(9億5000万ドル)。譲渡予定は2023年6月。譲渡に伴い、2023年3月期決算に約700億円の損失を営業費用として計上する。計画によると、今後、MLCCの株式19%をLundinまたは別の第三者に追加譲渡し、最終的な譲渡割合は70%とする。ENEOSは傘下のJX金属(東京都港区)を通じて、2006年にカセロネス銅鉱山の権益を取得。2013年に電気銅の生産を、2014年から原料となる銅精鉱の本格生産に乗り出した。2021年2月に共同出資する2社から権益を譲り受け、全権益を取得した。譲渡先のLundinは世界20カ国以上で鉱物資源・石油・ガスを開発供給するLundinグループの主力企業の一つで、南米、欧州、米国など世界各地で銅や亜鉛をはじめとする鉱山経営を手がけている。
追記事項
2023/08/10
7月13日付で譲渡が完了したと発表。